技術士

技術士の二次試験【難易度は合格率、ダケジャナイ】

※当ページのリンクには広告が含まれています

 

技術士二次試験の難易度ってどのくらいだろう、合格率って何%くらいだろうと思われている方

合格率だけでは資格の難易度はわかりません。

個人のバックグラウンドにもよりますが単に確率論ではない技術士の難易度についてまとめました。

 

既に1次試験を突破された方や、二次試験を受けることを検討されている方の参考になれば幸いです。

 

 

 

技術士二次試験の難易度

 

技術士の難易度は合格率10%と言われています。

 

ただ、これは部門によって異なるため、鵜呑みにできません。

 

部門によっては20%30%になるものもあるからです。

 

合格率についてまとめた記事は以下を参照ください。

 

技術士二次試験の合格率からみる難易度

 

結果として合格率は出ていますが、別の観点からも技術士の難易度を見ていく必要があります。

 

技術士の難易度【合格率、ダケジャナイ!】

 

合格率10%

 

合格率10%

1000人受ければ100人合格

10000人受ければ1000人合格

30000人受ければ3000人合格

 

令和1年の技術士の受検者は25000人に対し、合格者は3500人程度でした。

 

約14%。あくまで平均です。

 

14%と言っても受験者のバックグラウンドが異なるため、単純な確率論ではありません。

 

考慮しないといけないことを挙げてみました。

 

①受験資格への到達
②勉強時間の確保
③家族サービスの縮小
④趣味の縮小
⑤本業との兼ね合い
⑥お金
⑦ストレスコントロール

 

などでしょうか。

 

でも、これは大きく独身と家庭持ちでかなり変わってきます。

 

難易度 【家庭持ちの場合】

 

別に差別ではないですが家庭持ちは、なんだかんだ難しいです。

 

まず、子持ちなら子供相手の割合の多くを奥様に委ねることになります。

 

資格の勉強していると、子供がボールをぶつけてきたり、パソコンをぶっ叩いてきたり、外に遊びに行きたい、など色々な攻撃を交わしながら奥様にお願いする必要があるからです。

 

休日に図書館で勉強するため奥さんに子供を預けたは良かったが、図書館の席が空いていない、カフェに行っても空いていない

 

など、負のスパイラルに陥ると最悪です。

 

このように、家庭持ちは 勉強時間の確保 がまず課題です。

 

同時に、家族サービスや個人の趣味も縮小 して勉強時間に当てないといけません。

 

お金の観点から、独学で合格することもできなくはないですが、効率が悪いと思います。

 

効率良くテクニックや知識を得るために、技術士講座などへ申し込んだ方が良いと個人的には思います。

 

その場合は、8万円以上の費用はどの講座でもお金がかかってきます。

 

自分一人で自由に使えるお金が潤沢にあれば問題ないですが、出費は奥様と相談される必要があるかと思います。

 

難易度 【独身の場合】

 

一方、独身者の場合

 

勉強時間の確保やお金の使い方は自分でコントロールできるため自由度があります。

 

時間に余裕が生まれる分、本業の仕事を頑張ったりすると、本業との兼ね合いをよくつけておく必要があると思います。

 

最近はあまりないと思いますが、同僚との飲み会も考えておかなくてはいけません。

 

飲み会後に勉強はハードです。キッパリ断る必要があります。(自分は飲み会が嫌いだったので理由をつけて毎回断っていました)

 

つまり、独身一人暮らしの場合、勉強を遮られることがないですが、自分自身でモチベーションをしっかり保つ必要があります。

 

難易度 【共通】

 

家庭持ちにも独身者にも共通すること

 

受験資格への到達 これは受験案内にあるので社会人で6、7年働いていれば問題ないです。

 

大学院へ行っていれば年数が加算されるので、さらに短縮です。

 

ストレスコントロール これが重要です。

 

これは結構しんどいです。

 

結局、家庭を持っていても独身であっても、全ての問題がのしかかってくるので、メンタルとモチベーションを保っておく必要があります。

 

大学受験等を経験された方なら多少わかると思いますが、受験日が近づいてくるといろんなことを考えます。

 

なぜやっているのか、落ちたらどうするか、再チャレンジするのか、仕事が大変だから勉強できないのは仕方ない、リフレッシュに趣味を再開するか、やる気がでない、旅行に行きたいなど。。。

 

どうでも良いことが湧き出してきますがストレスコントロールが必要です。

 

大学受験と最も異なるのは 本業に影響を受ける ことです。

 

大学受験は言ってみれば受験勉強が本業です。なので一日何時間でも勉強できます。

 

一方、技術士試験は本業をやりながら勉強される方が多いです。

 

本業が忙しく1日に取れる勉強時間が2時間とかそこらが限界となれば、効率よく勉強するか、が鍵になってきます。

 

そのため、技術士講座やセミナーにお金を払ってでも受講して、効率よく技術士の取得を目指す必要があるのです。

 

独学でやって何年も勉強をやり続けるのは、正直言うと時間と労力の無駄です。

 

無駄ではないですが、技術士tuberの方(非常に参考になりますが)も多くいらっしゃいますが、2回、3回は普通、人によっては10年以上かかったなど聞きます。

 

お金がかかるから嫌っ! と思われるかもしれませんが、今では8万円程度から受講できる講座もあります。

 

ちなみに20万円以上かかるセミナーとかもありますが、結局、あるところまで到達すれば、テクニックよりどれだけ自分で考え、こなしたか、が重要だと思います。

 

参考に費用が抑えられる技術士講座の記事を貼り付けます。

 

スタディングで技術士【料金とおすすめ具合】

 

技術士がどんなことに役立つのか

 

技術士資格は役に立つのか!?

 

勤められている会社によって異なりますが、役に立たないこともあります。

 

例えば自分の会社だと、会社のエントランスに名前が張り出されたり奨励金が数万円もらえたりします。

 

また、技術士が名乗れ流ので名刺に「技術士」と書くことができます。

 

これは顧客に信頼を置かれやすくなりますが、逆に責任は増えます。(いいのか悪いのかわかりません)

 

会社によっては持っていないと仕事ができない、業務上必要という場合もあります。

 

技術士はコンサルティングができる資格のため個人事業を立ち上げる人もいます。

 

このように、この資格の重みは異なりますが、とはいえ技術系最高峰の資格と言われているので、なんだかんだ一目置かれると思います。

 

残念なことに認知度は低いです。

 

将来役立つ資格なのか、他と差別化できる資格なのか

 

将来的に技術士資格が役立つのか、それはわかりません。

 

日本の技術士は、アメリカのProfessional Engineer (PE) と比較されることがありますが、アメリカではPE資格を持っていないとできない仕事があります。

 

つまり「業務独占資格」です。PEを取得したら州を登録する必要があります。

 

日本の技術士は名称独占資格、つまり技術士として名乗ることはできても、仕事が独占できるわけではありません。(将来的にはわかりませんが)

 

とりあえず合格率10%で難しい資格と評価されており、勉強しないと取得できないので自分を客観的に評価してもらうためには有効です。

 

人によっては 「なにそれ、美味しいの!?」

 

と言われる可能性は否定できませんが、工業に関わる人ならそんなことを言う人はいないでしょう。。

 

他の人と比較して持っていると持っていないのとでは差別化はできると思います。

 

技術士を取得する本当の価値

 

完全に個人の私見ですが

 

技術士を取得して価値あることは、知見や考え方が広がることだと考えています。

 

「何を言ってんだ、やれやれ・・・」と思われるかもしれませんが、実際に技術士2次試験を始めてみると実感される方は多いと思います。(一次試験ではあまり関係ないです)

 

これは、経済産業省や国土交通省、厚生労働省、他民間団体から情報を幅広く得ていきながら、論文として自身の考えを書く必要があるからです。

 

知見の拡大と考え方の変化

 

例えば、今は再生可能エネルギーを推進していく動きがあります。2050年にはカーボンニュートラルの実現を目指しています。

 

これには、70%以上を占める火力発電を減らしたり、原子力発電を再稼働させていく必要があります。

 

この背景には、火力発電を減らしてCO2を削減することはもちろん、エネルギー自給率を向上させる必要や、莫大な建設コストがかかっている原子力発電所を可能な限り潰したくないが世論もあるなどの背景があります。

 

しかし、再生可能エネルギーは不安定であるためベース電源にはなりません。(ベース電源:昼夜問わず安定的に発電でき電源)

 

そのため、この不安定な電源は一時的に水素として貯蔵しておくなどの効率的運用が必要ですので、CO2低減だけでなくこのような観点からも水素需要が高まっている、ということが言えます。

 

論文を書く際にも(2次試験はほとんど論文です)、問題を挙げて、課題を抽出し、具体的な対策とリスク、そのリスクに対する対策を論理立てて記述します。

 

これらを繰り返し行うことで、本業にも活かせるテクニカルな手順で問題解決する考え方が身につくからです。

 

ちなみに、論理立てて物事を考えるのは、ロジカルシンキング(MECE, ロジックツリーなど)を習えばできないものでもありません。

 

このように技術士を取得する過程で、今まで知らなかった技術やその背景などを学ぶきっかけになり、また問題を論理的に組み立てて説明することができるようになります。

 

技術士という資格を持つ理由は人それぞれだと思います。

 

ただ、このような本業や日常でも展開できる知見の拡大や考え方の変化が最大の価値じゃないかと個人的には思います。

 

(株をやっていればどのような技術が今後注目されるかわかるかもしれません。多分)

 

と言うことで、技術士の資格を持っていて損はないと思います。

 

まとめ

 

技術士二次試験の難易度を合格率だけではない観点からまとめました。

 

家庭持ち、独身者などの場合わけで難易度や取り組みやすさの違いがあります。

 

将来役に立つ資格なのか、他と差別化できる資格なのかについてまとめました。

 

技術士を取得する本当の価値を個人的な観点からまとめました。

 

以上、最後までお読み頂きありがとうございました。

 

様々な動機で技術士を目指される方はいると思いますが、既に一次試験に合格された方なら記述試験の1年前から準備することがオススメです。

 

1次試験を受けたがまだ合格かわからない人は、12月に合否がわかったら直ぐに取り組まれることをオススメします。

 

何を準備すれば良いかわからない方は以下の記事をお読みください。

 

アガルート技術士講座の概要とオススメ具合

 

スタディング技術士講座の概要と活用法

 

マインドマップはこちら↓

Ayoaの登録方法から使い方まで【マインドマップツール】

 

 

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

くぅたろう

主に危険物や技術士等の技術系資格をメインに情報を発信中! 大手エンジニアリング会社で危険物甲種を取得後、エンジニアとして仕事をしています。 高校卒業→中小企業就職→理系大学・大学院卒→大手エンジニアリング会社入社→現在

-技術士