こんにちは くぅたろうです
技術士資格を取得するため、まずは技術士補の資格を取得する必要がある場合一次試験を受けなければいけません。
技術士補の基礎科目・適正科目は参考書で学習できますが、それぞれの専門科目については過去問しかないことが現実。
過去問の回答・解説が欲しい方、本記事を参考にしていただければ幸いです。
完璧な回答ではありませんが、ご自身で調べたり考えていく参考になればと思います。
技術士補の化学
技術士補【化学】の専門科目の解答と解説を作成しました。
共通科目と適正科目は解答と解説が各サイトで載っており、また書籍でも手に入ります。
一方、過去問は技術士会のHPからダウンロードできるので誰でも見れますが、専門科目については解説が書籍でもなく、インターネットで探しても見当たりません。
ですので解答と簡単な解説を載せました。
キーワードや簡単な解説をもとに検索を広げて頂き、まずは技術士補に受かるための一歩にしていただければ幸いです。
(全ての範囲について専門的な知識があるわけではないので的確な解説ではない場合あしからず)
専門科目【化学】1
グリニャード試薬の調整にはエーテル溶媒やテトラヒドロフランも利用される。また、乾燥された条件も重要である。だが、試薬の炭素原子は求核的である。
よって①
またグリニャード試薬との反応は以下
・ホルムアルデヒド ⇒ 第1級アルコール
・アセトアルデヒド ⇒ 第2級アルコール
・ケトン ⇒ 第3級アルコール
・エステル ⇒ 第3級アルコール
専門科目【化学】2
a) 求電子、 b) 1,4-、 c) 反応速度、d) 速度支配、e) 熱力学支配
よって⑤
備考:問題文が存在”化”となっている。問題文間違い。
専門科目【化学】3
炭素間で二重結合している炭素にヒドロキシ基がついている物質をエノールという。⇒R-C=C(-OH)-R
エノールのヒドロキシ基の水素が取れるとエノラートイオンとなる⇒R-C=C(-O–)-R
HOLD
専門科目【化学】4
イス型配座のシクロヘキサンの水素はアキシアル及びエクアトリアルの2組に分類される。6個の炭素で形成する平均分子平面から、アキシアル水素3つは上、もう3つは下に位置する。
エクアトリアル水素は6個全て平面内にある。
また、メチル基がアキシアルに位置する場合、立体的反発が生じるためエクアトリアルの方が安定となる。
よって③
専門科目【化学】5
a) 2-メチル-2-プロパノール、b) カルボカチオン、c) マルコフニコフ則、d) 2-メチル-1-プロパノール、e) ヒドロホウ素化
よって⑤
専門科目【化学】6
紫外ー可視吸収スペクトルは、共役の程度が大きいほど吸収極大の波長は長波長側へシフトする。
例えば、ベンゼン :255nm、ナフタレン :314nm、アントラセン:380nm
λmaxが大きいのは(C)、λmaxが小さいのは(E)
よって④
専門科目【化学】7
①は簡単に不斉炭素があることがわかり、③④⑤は一見複雑だが鏡像異性体が存在している。
②は-OH, H, -COOHのついている炭素原子が不斉炭素であるが、奥側の炭素も同様な不斉炭素であるため
鏡像異性体とはならない。
よって②
専門科目【化学】8
LNGの導入は進んでいるが一次エネルギー国内供給の割合は最大ではない。最大は石油。
よって①
LNGの輸入先としてはオーストラリア、マレーシア、カタール、ロシアなど。
発電用LNGも増加し、使用割合は40%以上を超えている。
専門科目【化学】9
各発熱量についての説明だが、ボイラ、ディーゼル、ガスタービンなどには低位発熱量を用いる。
よって⑤
国際エネルギー機関(IEA)のCO2排出量計算にも用いられる。
専門科目【化学】10
接触改質装置では圧力ではなく温度を高くすることによって得率アップを図っている。
よって④
他は石油精製プロセスについての説明。BTX: ベンゼン 、トルエン、キシレン。
専門科目【化学】11
各文灯油についての説明だが、煙点は大きい方が望ましく、〇〇mm以上といった規定がある。
よって③
炭素数別石油類、ガソリン:C5~C12、軽油:C16~C20、潤滑油:C20~
専門科目【化学】12
各文、潤滑油についての説明だが、粘度指数は高いほど温度による粘度変化が小さく、粘度指数が低いほど温度による粘度変化は大きい。④は逆になる。
粘度指数が高いものの方が潤滑油としては優れている。
よって④
専門科目【化学】13
各文石炭に関する説明。粘結性を有する石炭は原料炭と呼ばれる。
粘結性のないものを一般炭と呼ぶ。
よって⑤
専門科目【化学】14
(A):ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸によってナイロン6,6が合成されるが、合成後の構造が間違い
(B):テレフタル酸とエチレングリコールによりPETが合成されるが、モノマーが1,4ブタンジオールなので間違い
(C):フタル酸とp-フェニレンジアミン によりポリアラミドが合成されるが、反応物が不明。間違い
(D):ジイソシアネートとジオールの合成によりポリウレタンができる。
(E):カプロラクタムの開環重合によりナイロン6が合成される。
よって⑤
専門科目【化学】15
(B) カーボネート基(-O-C(=O)-O-)がついている
(C) エーテルがない
(D) カーボネート基がない
AとDが正しい。
②が正解
専門科目【化学】16
①〜⑤問題全て正しい。
専門科目【化学】17
①塊状重合とも言い、溶媒を必要とせず高分子量・高純度ポリマーが得られるが除熱が難しい。
②溶媒を必要とし、低分子量ポリマーが得られる。有機溶媒が残るのが課題。
③モノマーは水に不溶であり溶媒を必要とする。分散剤ポリマー中に残るのが課題。
④水溶媒で乳化剤がポリマーに残るのが課題。
⑤代表的なものでPETなど。
よって①
専門科目【化学】18
A):バイオポリエステルと呼ばれるポリマー(PHB)
B):ポリアクリル酸ナトリウム
C):フェノールを介していない
D):ポリビニルアルコールは絶縁材料としては適切ではない
E):ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリラート)
よって④
専門科目【化学】19
ア)ガラス状態領域、イ)転移領域、ウ)ガラス転移、エ)ゴム状平坦領域、オ)流動領域
よって③
専門科目【化学】20
六方最密充填構造に含まれる原子は2個。金属例はZn, Mg, Tiなど。
よって④
専門科目【化学】21
マグネサイトを酸化物(MgO・CaO)に変えてから、フェロシリコンFe-Sと混合し加熱する。
よって③
専門科目【化学】22
(B) ガリウムヒ素は閃亜鉛鉱型構造である。ウルツ鉱型ではない。
(D) 自由電子と正孔の数はほぼ等しい。
(E) n型はnegativeのn. 真性半導体に不純物を添加することで電子が余分に増える
よって③
専門科目【化学】23
ホウケイ酸ガラスはビーカーなどに利用されるが、熱膨張率が低いため温度差による応力が少ない。
つまり、ビーカーなど熱衝撃に強い。
よって②
備考:過去問では類似問題が良く出る。
専門科目【化学】24
グラファイト(鉛筆の芯等)は面内では金属にちかい電気伝導性だが、面間では示さずファンデルワールス力が働く。
ダイヤモンドは熱伝導率が高く、フラーレンは五員環12個、六員環20個でできている。
よって⑤
専門科目【化学】25
正解は②
専門科目【化学】26
正解は①
専門科目【化学】27
(a)露点曲線、(b)沸点曲線
メタノールの沸点は64.7℃で図からもおおよそ読み取れる。
よって⑤
専門科目【化学】28
A):モノエタノールアミン、B):アルカリ性、C):加熱、D):高圧、E):メタノール
よって②
備考:モノエタノールアミン/ OH-(CH2)2-NH2
物理吸収法:硫化水素や二酸化炭素などのガスを分離するプロセスをレクチゾール法という。
専門科目【化学】29
プロパン1kg = 22.7 [mol]から必要なO2は22.7 x 5 =113.6 [mol] = 113.6 x 22.4 [L] = 2.55 [m3]
理論上必要な空気量は2.55 x 100/21 = 12.1 [m3]
空気比(実際の燃焼空気量/理論空気量) = 14.5/12.1 = 1.2
よって②
専門科目【化学】30
PETはテレフタル酸[C6H4(COOH)2]とエチレングリコール(C2H6O2)から合成される。
各のモノマーを足した分子量:204(C:8, H:12, O:6)から、脱水縮合を考慮して(-18: H2O)、100,000/(204-18) = 538程度
よって③
専門科目【化学】31
タンク内の物質量は n = PV/RT = 1.0 x 1,000 / 0.08206 x 300 = 40.62 [mol]
DMEの物質量は 40.62 x 0.06 = 2.44 [mol]
DME完全燃焼に必要なO2は C2H6O + 3O2 = 2CO2 + 3H2O から2.44 x 3 = 7.32 [mol]
DMEを完全燃焼させたことによる燃焼エンタルピーはΔHc = -1,328 x 2.44 = 3,240 [kJ]
定積熱容量から ΔHc = nCvΔT
ΔT = ΔHc/nCv = 3,240 / 0.030 x 40.62 = 2659 [K]
DME燃焼後の圧力p = nRT/V = 40.62 x 0.08206 x (300+2659) / 1000 = 10 [atm]
よって④
専門科目【化学】32
析出するCuSO4・5H2OをXとする。
40℃時の溶解度から100g の溶液には22.5gの無水硫酸銅が溶けている。(29/129 = 無水硫酸銅 / 100)
0℃時の溶解度14.8より溶質/溶液から式を立てると
14.8/114.8 = [22.5 – (160/250)x X] / (100 – X)
0.129 = (22.5 – 0.64X) / (100 -X)
⇒ 18.7 g
よって②
専門科目【化学】33
管内流れの圧力損失ΔPは
ΔP = -2fLu2ρ/d = -2 x 0.0032 x 1000 x 3^2 x 1000 / 1.0 = -57,600 [Pa] = – 57.6 [kPa]
よって損失水頭は – 57.6 [kPa] ⇒ 5.9 [m] (98kPaで10m)
総落差から損失水頭を考慮したサージタンクの高さは45m程度となる。
よって④
専門科目【化学】34
空気側と体内との同面積量に対する伝熱量が等しいとすると
空気側 = 伝熱係数 x (皮膚境膜T1ー空気側T2) = 8.8 x (T1-29) =8.8T1 – 255.2
体内側 = 熱伝導率 x (空気側T2ー皮膚境膜T1) x 皮膚境膜厚さ = 0.21 x (36 – T1)÷ 0.004 =52.5 x (36 – T1) = 1890 – 52.5T1
以上から、8.8T1 – 255.2 = 1890 – T1
⇒T1 = 2145.2/61.3 = 35 [℃]
よって①
専門科目【化学】35
8日経過:X Bq → X/2(半減期)
80日経過:X x (1/2)^10 = X/1024 = 1,000
⇒ X = 1,000 x 1024 = 10^6
よって③
技術士一次試験に合格された方は二次試験の参考にしていただければ幸いです。
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