
- 危険物取扱者の甲種を受験する前に自分に資格があるか知りたい
- 受験資格があるなら甲種の難易度を概要でも知りたい
危険物甲種には受験資格があることは知っていると思いますが、「自分にも受験資格があるのか?」と気になっている方も多いのではないでしょうか?
実は、理系の大学・学部を卒業していれば多くの場合、受験資格があります。
また、理系出身ではなくても、乙種を4つ以上取得していれば受験可能です。
甲種の受験を考えていて、ご自身に受験資格があることがわかったなら、ぜひチャレンジしてみてください。
たとえ今資格がなくても、将来的に甲種を取得したいと考えている方は、その目標に向けて少しずつ準備を進めるのがオススメです。
本記事が、これから甲種を目指す方の参考になれば幸いです。

危険物取扱者甲種の受験資格は自分にある?

まずは、ご自身に危険物取扱者〈甲種〉の受験資格があるかどうかを確認する必要があります。(乙種・丙種に受験資格の制限はありません)

受験資格の詳細は、一般財団法人 消防試験研究センターに掲載されています.
その内容を一部抜粋すると以下になります。
※2023年時点
〔1〕危険物取扱者甲種の受験資格その1
「大学等において化学に関する学科等を修めて卒業した者」
化学に関連する学科を卒業していれば、受験資格ありで大丈夫です。
そのまま勉強して合格しましょう。
危険物甲種のまとめ記事はこちらです
ご自身の卒業学科が「化学関連」に該当するかどうかは、消防試験研究センターの公式サイトで確認できます。
応用化学科は読んで字の如くですが、安全工学科、材料機能工学科、塗装科、物質分子学科など「化学」がつかない学科でも化学に関連する学科であれば対象になります
一方で、人類文化学科や日本文化学科など「化学」がついていてもダメなものもあるようです。当然ですね。
[st-kaiwa3]そうなんだな・・・[/st-kaiwa3]
その場合の対策は下記です。
〔2〕危険物取扱者甲種の受験資格その2
「大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者」
「化学」が含まれる科目が対象になります。



どの科目が「化学に関する科目」に該当するかは、消防試験研究センターの公式サイトで確認できます。
たとえば、エレクトロニクス材料工学、化工流体工学、食品科学なども対象になります。
一方、進化学や文化学などはダメなようです。



しかし、人類文化学科や日本文化学科を卒業していても、化学に関する科目を15単位以上取得していれば受験資格はあることになります。



15単位以上ですが、一般的に「90分x2単位」とすると、8科目取ればOKです。
文系を専攻していても1〜2学期ほど化学関連の科目単位を取れば、受験資格を得ることができます。
※ただし、最新の動向は公式サイトをご自身で確認してください
なお、専門大学などの場合は科目自体がないのでその場合の対策は下記です。
〔3〕危険物取扱者甲種の受験資格その3
「乙種危険物取扱者免状を有する者」
乙種危険物取扱者免状の交付を受けた後、危険物製造所等における危険物取扱の実務経験が2年以上である必要があります
文系でも危険物取扱者乙種の資格をもって2年実務にあたれば受験資格を得ることができます。



実務経験がない方は長丁場ですね。
ちなみに危険物取扱者乙種・丙種には受験資格はありません。どなたでも受験可能です。
乙4資格を取るなら通信講座が効率的です。参考記事はこちら
また、乙種内で4種類以上の乙種危険物取扱者免状の交付を受けている人も受験可能です。
つまり乙種は全部で第1類〜第6類まであるので、2/3の乙種資格を持つ必要があります。
乙種を受けたくない場合の対策は下記です。
〔4〕危険物取扱者甲種の受験資格その4
「修士・博士の学位を有する者」
文系大学で科目も取らないし、乙種も受けたくない場合は、大学院で理転して化学に関する学科または課程を修了することで受験資格を得ることができます。
受験のためにそこまでする方は少ないと思いますが、そんな方法もあります。



ご自身の修得された学科または課程が化学に関する科目か確認するためには、消防試験研究センターのホームページで確認できます。
文系から理系に変えるのはかなり努力がいると思いますが、ここまでくると危険物取扱者甲種の資格が本当に必要であれば、まずは乙種を取得されることをオススメします。
まとめたものは以下になります。(消防試験研究センターHPより引用)


危険物取扱者甲種の受験資格がある、難易度は?


難易度としては近年では32〜40%の合格率です。
2015年~2019年 (H.27~R.1) | 受験者 (人) | 合格者 (人) | 合格率 (%) |
2019 (H.31, R.1) | 19,540 | 7,721 | 39.5 |
2018 (H.30) | 20,977 | 8,358 | 39.8 |
2017 (H.29) | 22,504 | 8,388 | 37.3 |
2016 (H.28) | 22,845 | 7,653 | 33.5 |
2015 (H.27) | 22,950 | 7,381 | 32.3 |
危険物甲種受験概要
試験勉強を始める前に、受験概要を把握しておくことが大切です。
資格取得の際に、100点満点をめざす必要はないので、問題数や合格基準を知っておくことが必要です。
受験概要は以下になります。(消防試験研究センターより抜粋)
危険物甲種試験科目 | 問題数 | 合格基準 (60%以上) |
危険物に関する法令 | 15 | 9 |
物理学及び化学 | 10 | 6 |
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 | 20 | 12 |
また、過去問を確認することで、試験の難易度や出題傾向のイメージがつかめます。
詳しくは、以下の過去問の記事を参考ください
危険物取扱者の資格取得を考えている方の中には、日々の勉強や仕事で忙しく、なかなか準備の時間を取れない方も多いかもしれません。
[st-kaiwa3]ネコは毎日残業でいそがしいな[/st-kaiwa3]
しかし、受験資格がある方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
特に、石油・化学メーカーに勤務している方は、AI(人工知能)やデジタル技術が出てきたとはいえ、最終的に設備を管理・運用するのは人間です。
Human In The Loopという言葉があるように、AIを活用する場合でも、最終判断や安全管理の枠組みには人の介入が不可欠です。
特に危険物を扱う分野では、その重要性がより一層大切だと思います。
これから就職や転職を検討している方にとっても、危険物取扱者の資格は価値のある資格だと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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