危険物【甲種】試験の合格率で高い月と低い月がある!?<合格率イコール難易度ではない>

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  • 危険物甲種試験の合格率から難易度を測りたい
  • 合格率からモチベーションを維持したい
  • 甲種取得に向けて自分のバックグラウンドで通用するか知りたい

このようなことを思われている方は、甲種取得を目指して勉強しようとされていると思います。

実は甲種の合格率は30〜40%程度ですが、一概に難易度には結びつきません。

甲種は受験資格がありますので、どのような経路で受験するかによっても難易度は変わってきますし、勉強方法によってもかかる時間が変わるからです。

この記事を読むと危険物甲種の合格率や難易度がわかります。

これから危険物取扱者甲種の取得を目指す人の参考になれば幸いです。

目次

危険物【甲種】試験の合格率

甲種の合格率は2015年〜2019年の統計で見ると、低い時で32%、高い時で40%程度です。

つまり、10人に3, 4人が合格しています。

(統計は消防試験研究センターで確認できましたが、2022年時点ではページが消えて確認できません。)

毎年10人中3, 4人がコンスタントに合格する、つまりおおよそ問題の難易度は固定されています。

バックグラウンド(理系・文系・職種等)によって勉強にかける時間は多少変わってくると思いますが、出題される範囲は大抵参考書に網羅されているので参考書を何周かして、過去問を解いていけば受かる可能性は高いと思います。

<危険物甲種の受験者数、合格者と合格率>

2015年~2019年 (H.27~R.1) 受験者 (人) 合格者 (人) 合格率 (%)
2019 (H.31, R.1) 19,540 7,721 40
2018 (H.30) 20,977 8,358 40
2017 (H.29) 22,504 8,388 37
2016 (H.28) 22,845 7,653 34
2015 (H.27) 22,905 7,381 32

2015年から年々受験者数が減少していますが合格率は上がっています

2015年と比較すると受験者が3,000人近く減っているのに合格者数はほぼ変わらりません。

憶測ですが、とりあえず受けとく的な受験が減った、参考書が極めすぎている等々考えられることはありますが実際はわかりません。

人口統計から見る受験者の減少

バリ働く30代の受験者が減ったことは厚生労働省の人口統計からわかります。

20~24歳は30万人程増えていますが、35~39歳のバリ働く世代は90万人近く減っています。

20~39歳まで合わせると2015年から2019年までで150万人減少しており、仕事が忙しくて受験はしたけど勉強せず合格率が下がる母数が減ったと個人的には思います。

逆に20~24歳の若手受験者は、大学生が多く勉強することに慣れているため、合格率を押し上げている可能性もあります。

人口推移 (単位:千人) 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
20~24歳 6,091 6,150 6,228 6,330 6,388
25~29歳 6,532 6,393 6,291 6,223 6,240
30~34歳 7,396 7,257 7,112 6,936 6,752
35~39歳 8,417 8,117 7,884 7,694 7,551
合計 28,436 27,917 27,515 27,183 26,931

危険物甲種の合格率が高い月、低い月はある!?

あります

統計を俯瞰してみると、危険物取扱者甲種の合格率の高い月、低い月が過去5年の統計(2015~2019年)でわかりました。

合格率が高い月

9月、10月、12月です。

合格率が低い月

1月、2月、6月です。

※あくまで統計上の合格率ですので、受かりやすい・受かりにくいを保証するものではありません。

危険物甲種の試験は各地域で実施月が決まっていますが、合格率の高い 9, 10, 12月に特段試験回数が少ないことや多いことはありません。

2015~2019年までの月別受験者、合格者及び合格者率が下記です。

4月 (Apr.) 5月 (May) 6月 (Jun.) 7月 (Jul.) 8月 (Aug.) 9月 (Sep.) 10月 (Oct.) 11月 (Nov.) 12月 (Dec.) 1月 (Jan.) 2月 (Feb.) 3月 (Mar.)
受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率
2019年 686 262 38 382 150 39 4,156 1,547 37 948 395 42 275 111 40 2,022 895 44 1,536 648 42 3,511 1,349 38 1,881 756 40 453 164 36 3,040 1,176 39 650 268 41
2018年 462 179 39 849 364 43 4,526 1,597 35 995 411 41 222 90 41 1,380 555 40 2,261 1,023 45 3,670 1,444 39 1,379 573 42 473 162 34 3,101 1,269 41 1,659 691 42
2017年 314 105 33 708 249 35 4,825 1,678 35 1,361 539 40 326 126 39 1,413 508 36 2,724 1,069 39 4,173 1,644 39 980 411 42 1,458 512 35 3,170 1,200 38 1,052 347 33
2016年 425 131 31 1,459 459 32 4,322 1,320 31 1,318 421 32 799 299 37 365 152 42 2,752 1,086 40 4,344 1,441 33 1,428 505 35 661 177 27 4,081 1,365 33 891 297 33
2015年 361 137 38 1,457 461 32 4,775 1,396 29 787 266 34 787 249 32 669 273 41 2,584 812 31 4,944 1,568 32 715 273 38 816 243 30 4,252 1,449 34 758 254 34
平均 (Average) 450 163 36 971 337 36 4,521 1,508 33 1,082 406 38 482 175 38 1,170 477 41 2,371 928 40 4,128 1,489 36 1,277 504 40 772 252 32 3,529 1292 37 1,002 371 37

2018年度の合格率は低い時で34.2%、高い時で45.2%で推移しています。

危険物甲種試験は各地で毎月開催されています。

例えば2018年の月別で比較してみると下記になります。

地域別 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
北海道 1 1 2 1 1 1 1
青森 4 1 2 6 1 2
岩手 2 1 1 3 2 1
宮城 1 2 1 1 2
秋田 1 2 1 1 1 1
山形 2 2 3 1 1 1
福島 2 2 1 2
茨城 2 2 1 1 1
栃木 1 1 1
群馬 1 1
埼玉 1 2 1 1 2 2
千葉 2 2 1
東京 1 1 1 1 2
神奈川 1 1 1
新潟 1 1 1 1
富山 3 3 2
石川 2 2 2 2 3 1 3
福井 1 1 2 1
山梨 1 1 2 1
長野 4 3 1 2
岐阜 1 2 2 2
静岡 1 2 1
愛知 1 1 1 3 1 2 2 1 2
三重 2 2
滋賀 1 1 1 1 1
京都 1 1 1 1 2
大阪 1 1 1 1 1 1
兵庫 2 2 1
奈良 1 1 1 1
和歌山 1 1 1 1
鳥取 1 2
島根 2 2
岡山 1 1
広島 2 2
山口 2 2
徳島 1 1 1 1
香川 1 1 1
愛媛 1 1 1
高知 2 1 1
福岡 2 1 1 1 1
佐賀 1 1
長崎 1 2
熊本 1 2 1
大分 1 1
宮崎 1 1
鹿児島 1 1
沖縄 1 1 1 1
合計 3 11 60 16 7 21 39 45 11 9 32 10

受験者数は6月、11月、2月が圧倒的に多くなっています。

危険物取扱者甲種受験者のバックグラウンドによる合格率

大学での専攻などバックグラウンドによっても合格のしやすさは変わると思います。

ですが、努力でなんとでもなるので、合格率30%くらいだからといって辞める必要は全くありません。

理系は物理と化学に関してとっつきやすいので時間はさほどかからないと思います。

一方、法令と危険物の性質・消火方法については初めて触れる人も多く対策・勉強のウェイトが多くなります。

法令や暗記ものが得意な人(が多いイメージ)には有利です。そのぶん、物理と化学にウェイトがいくことが考えられます。

そして、高卒や職人でも危険物甲種を取るなら既に職業に付かれてる方が多いと思います。

既に職場で危険物を扱っていたり、見慣れた法令があるかもしれません。

職業上で関わっていれば、前知識があって有利だと思います。

危険物取扱者の資格は、職業柄必要な場合もあります。高卒で工場で働きながら会社を経営し、工学系の資格をいくつも持っている方も個人的な知り合いでもいます。

合格率は気にしない

合格率30%だからといって、一概に難しいとか易しいということはできませんが、あくまで指標の一つですので気にする必要はないと思います。

技術士のような10%程度の合格率だとかなり難しいんじゃないかと思いますが、危険物資格は正しい勉強の仕方さえやっていれば普通に合格できる資格だと思います。

100点満点取る必要もなく、6割正解で合格ですので、バックグラウンドによりますが2、3ヶ月程度あれば合格できると思います。

効率的な勉強法は、通信が手っ取り早いですが参考書を買って独学で合格することも可能です。

通信教育講座を利用すれば、より効率的に学習が進むため体感的な難易度は下がるかもしれません。

また、ご自身の時間節約にもなりますので、一考されても良いと思います。

詳しくはこちらの記事を参照ください。

危険物取扱者【甲種】の通信講座を比較する

まとめ

・危険物【甲種】試験の合格率は約30%。

・合格率が高い月と低い月がある。

・合格率はただの指標なのであまり気にしない。

合格率は一つの指標で参考にはなりますが、必ずしもその難しさを決めるものではないと思います。

ご自身で実際問題を見てみて、この程度の難易度で、ある程度の期間があれば6割以上取れそうだ、と思うことが大切だと思います。

甲種資格取得のために、ざっと出した勉強時間は以下を参照頂ければと思います。

危険物【甲種】を取るための勉強時間

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以上、最後までお読み頂きありがとうございました。

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この記事を書いた人

主に危険物や技術士等の技術系資格をメインに情報を発信中!
大手エンジニアリング会社で危険物甲種を取得後、エンジニアとして仕事をしています。
高校卒業→中小企業就職→理系大学・大学院卒→大手エンジニアリング会社入社→現在

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