- 危険物【乙4】の取得を考えていて第4類の合格率を知りたい
- 受験者数、合格者数、合格率など過去5年間のわかりやすい比較が知りたい
合格率から難易度を推測して取得を目指したいと思われていないでしょうか?
乙4の平均合格率は約34%です。
しかし、実は合格率 = 難易度ではないので注意が必要です。
合格率34%から乙4が難しい、または逆に易しいと判断することはできません。
僕は理系のバックグラウンドで甲種を取得していますが、理系の知識だけでは乙4は取得できないですが、しっかり対策していけば合格率関係なく合格できると思っています。
この記事を読むことで、試験科目の3科目のうち、それぞれの科目の目安合格率がわかります。
本記事がこれから危険物乙4の取得を目指される方の参考になれば幸いです。
危険物【乙4】の合格率からみるムズカシさ[過去5ヶ年分]
乙4 vs 乙種全体 について過去5年間の受験者数・合格者数・合格率は以下です。
※乙4:危険物取扱者乙種第4類(データは消防試験研究センターより引用)
危険物乙種 | 第4類 | 乙種全体合計 | ||||
受験者(人) | 合格者(人) | 合格率(%) | 受験者(人) | 合格者(人) | 合格率(%) | |
2019(H.31~R.1) | 221,867 | 85,669 | 39 | 282,416 | 126,875 | 45 |
2018(H.30) | 240,102 | 93,667 | 39 | 304,356 | 136,471 | 45 |
2017(H.29) | 256,587 | 88,328 | 34 | 325,411 | 135,210 | 42 |
2016(H.28) | 264,946 | 76,575 | 29 | 331,258 | 120,625 | 36 |
2015(H.27) | 271,234 | 79,718 | 29 | 342,399 | 127,114 | 37 |
平均 | 250,947 | 84,791 | 34 | 317,168 | 129,259 | 41 |
平均すると受験者数は 約25万人
そのうち合格者は 約8万5千人
そして合格率は 約34%
この34%という数字が多いのか少ないのか、ここでは判断できません。
なんとなく多いという見方もあれば少ないと思うかもしれません。
合格率だけ見てもわからないので、試験内容の概略理解が必要です。
試験内容は各科目で6割取れれば合格です。試験時間は休憩を除いて合計2時間の試験になります。
・危険物に関する法令:15問出題
・基礎的な物理学及び基礎的な化学:10問出題
・危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法:10問出題
受験資格やバックグラウンドについて詳細を知りたい方はこちらの記事参照ください。
合格率34%は難しい!?
危険物乙4の試験は年間3人に1人しか合格しないので難しい試験という見方もできます。
難しい理由は学校・大学で習う理系科目だけでなく「法令」があるからです。
物理・化学は習ってきたけど、暗記系が多い法令については全く無知な方が多いと思います。
合格率だけみて難しいと思ってモチベーションが下がることもあるかもしれません。
誰でも受験できるので申し込みだけして受験しない人、勉強すらしない人もいます。
つまり「合格率」というのは、勉強した人全員が受験して、その結果の確率ではないということです。
合格率34%は易しい!?
逆に考えると、危険物乙4の試験は 年間に3人に1人も合格するので易しい試験という見方もできます。
なぜなら3人に1人といっても、その3人が必ずしも真面目に勉強して受験しているわけではないからです。
基本的に受験する方は、もちろん学生もいますが多くは社会人だと考えられます。
[st-kaiwa3]ネコも社会猫だよ[/st-kaiwa3]
社会人にあるあるだと思いますが、申し込みはしたけど仕事が忙しく勉強時間が取れず試験日を迎える方も多いです。
せっかく申し込んだので受験だけしておく、択一式で6割取れれば合格なので、もしかしたら合格できるかもしれない・・・
と、思って受験される方もいると思います。
以上から一般的に受験者が増加すると必然的に合格率が引き下げられます。
つまり合格率34%が必ずしも、その難しさを反映しているわけではありません。
また、個人的な見解ですが合格率を大きく引き下げているのは「法令」であるため、法令で引っかかる人が多いです。(理由は後ほど)
以上から合格率で言えば実質34%以上の合格者がいるので易しいという見方もできます。
既に受験を考えていて少しでも合格する確率を上げたい場合は通信講座がおすすめです。
こちらの記事参照ください。
乙4を受験するときに参考とすべき合格率
科目で分けて考える必要があります。
なぜなら合格率を大きく引き下げている科目があるからです。
試験内容は以下です。
- 危険物に関する法令:15問
- 基礎的な物理学及び基礎的な化学:10問
- 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法:10問
そうです。そして各科目で6割以上得点する必要があります。
- 危険物に関する法令:15問中→9問正解
- 基礎的な物理学及び基礎的な化学:10問中→6問正解
- 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法:10問中→6問正解
このような得点率になります。
その傾向は当然あります。
次に性消(危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法)の科目を詳しく見ていきます。
乙4「性消」(危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法)
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法を「性消」と言ったりします。
この性消ですが、危険物は第1類から6類まで分けられていて、それぞれの性消があります。
乙4とは危険物の第4類のことです。
ちなみに甲種の受験資格として、「乙種4つ取得する」といったものがあります。
この場合、乙種を4種類取得しないといけませんが、例えば乙4に合格しておきます。そうすると他の乙種を受験する際に科目免除を受けられるので、受験の際は性消だけでよくなります。
つまり、乙4を取得した後、乙1,2,3,5,6を受験する場合は性消だけの対策で良いわけです。
そしてここが肝ですが、乙4以外の乙種合格率(乙1,2,3,5,6)は 約67% です。
(過去5年分の第4類を除く第1類〜第6類までの平均値)
これは3人に2人が合格していることになります。
「性消」は前述した通り危険物の第1類から第6類それぞれありますが、4類だけ飛び抜けて試験が難しいわけではありません。
乙4を受験する際に3科目まとめて受験する方が多いから法令も受験することになり、結果として合格率が低くなると考えています。
そういうことになります。
ちなみに、各類の危険物は以下のようになります。
危険物乙種 | 危険物の性質 |
第1類 | 酸化性個体(火薬等) |
第2類 | 可燃性個体(マッチ等) |
第3類 | 自然発火性及び禁水性物質(発煙剤等) |
第4類 | 引火性液体 |
第5類 | 自己反応性物質(爆薬等) |
第6類 | 酸化性液体(ロケット燃料等) |
内容・物量的には、以下の順でボリュームが多くなります。
1類>4類>5類>3類>2類>6類
乙4も物量が比較的多いです。
しかし、最も物量が多い乙1の合格率が低いか? というと、そういうわけではありません。
そうです。
繰り返しですが、乙4は単純に需要が多く3科目全て受験される方が多いのです。そして「危険物といえば乙4」と言ったように登竜門的な試験になっています。
よって合格率34%は、純粋な乙4自体の試験の難しさを表しているわけではない と言えます。
既にお分かりかと思いますが、乙4受験者合格率34%と他の乙種合格率67%では何が違うのでしょうか。
そうです。それが法令だと予想できます。
乙4 「危険物に関する法令」と「基礎的な物理学及び基礎的な化学」
基礎的な物理・化学は中学生や高校生で習う内容で、正直難しい科目ではありません。
合格率を決定的に下げる要因にはなりません。
そうすると合格率を67% → 34%へ押し下げている要因は、問題数的にも多い「法令」になるわけです。
乙4の合格率を出そうとすると(あくまで個人的見解ですが)、次のようになると思います。
- 危険物に関する法令:受験者の57%程度クリアする
- 基礎的な物理学及び基礎的な化学:受験者の90%程度クリアする
- 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法:受験者の67%クリアする
0.57×0.9×0.67
= 0.34 →(合格率は約34%)
取り扱う物量は各類によって異なりますが、物量が最も多い1類と、物量が最も少ない6類を比較しても受験者数と合格率に大きな差はありません。
つまり、乙種各類の「性消」の難易度が異なるのではなく「法令」を受ける人が増えると合格率が下がるわけです。
この乙4ですが、ガソリンスタンドやタンクローリー関係のニーズが高く、受験者数が多くなる傾向があります。
また甲種資格の受験条件ともなるため、受験者が多くなります。
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こちらの記事参照ください。
乙4の月別合格率
最後に2019年度の危険物取扱者乙4の月別受験者数、合格者数と合格率の記載です。
(消防試験研究センターより引用)
2019 (H.31~R.1) | 4類 | 乙種全体合計 | ||||
受験者(人) | 合格者(人) | 合格率(%) | 受験者(人) | 合格者(人) | 合格率(%) | |
4月 | 4,711 | 2,151 | 45.7 | 6,208 | 3,155 | 50.8 |
5月 | 5,331 | 2,428 | 45.5 | 7,311 | 3,882 | 53.1 |
6月 | 53,270 | 20,067 | 37.7 | 70,531 | 31,573 | 44.8 |
7月 | 13,856 | 5,651 | 40.8 | 16,389 | 7,380 | 45.0 |
8月 | 6,358 | 2,559 | 40.2 | 7,968 | 3,722 | 46.7 |
9月 | 11,472 | 5,075 | 44.2 | 13,934 | 6,908 | 49.6 |
10月 | 18,313 | 7,135 | 39.0 | 22,447 | 10,011 | 44.6 |
11月 | 43,801 | 15,289 | 34.9 | 55,765 | 22,972 | 41.2 |
12月 | 15,187 | 5,803 | 38.2 | 18,682 | 8,216 | 44.0 |
1月 | 7,295 | 2,690 | 36.9 | 9,643 | 4,445 | 46.1 |
2月 | 31,358 | 11,816 | 37.7 | 39,448 | 17,243 | 43.7 |
3月 | 10,915 | 5,005 | 45.9 | 14,090 | 7,368 | 52.3 |
比較的に2、6、11月の受験者が多くなっており、伴って合格率が下がります。
危険物取扱者試験の受験料は以下となっています。
試験手数料(受験料) | 甲種 (円) | 乙種 (円) | 丙種 (円) |
〜2018/4 | 5,000 | 3,400 | 2,700 |
2018/5〜2019/9 | 6,500 | 4,500 | 3,600 |
2019/10〜 | 6,600 | 4,600 | 3,700 |
まとめ
・乙4の平均的な合格率は34%です
・合格率は参考にしてもよいが難易度を判断するものではない
・各科目別に見ると法令と性消の合格率が低いと考えられる
以上、危険物乙4の合格率から見る難しさをまとめてみました。
一見、34%と聞くと少なめと判断される方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、結局科目毎に分けて考える必要があります。
独学でも危険物に合格する方は多いですが、独学で2回3回で合格するより1発で合格する方が時間も労力もコストもかからないと思います。
一発合格を狙うなら通信教育講座がオススメです。
最後までお読み頂きありがとうございました。